Gentoo Linux/TOWNS 導入メモ
この文章は、富士通社製 FM-TOWNS へ Gentoo Linux をインストールする具体的な手法について、 FM-TOWNS に依存する内容を中心にまとめたものです。
1. はじめに
この文章は、富士通社製 FM-TOWNS (以下、 FM-TOWNS) へ Gentoo Linux をインストールする具体的な手法について、 FM-TOWNS に依存する内容を中心にまとめたものです。
本文章では、まず "用意するもの" の章で、 FM-TOWNS へ Gentoo Linux をインストールする際に必要となるものについて述べ、 次に "インストール" の章で、実際に Gentoo Linux をインストールする方法について述べます。続いて、 "X.Org の導入" の章で、 Linux/TOWNS 上で動作する X window system として、 X.Org を導入するための具体的な方法について述べます。
そして、最後に "最新の状況と今後の予定" の章で、最新の状況及び今後の予定等について述べます。
Impotant:
なお、この文章では Gentoo Linux のインストール手法のうち、 AT 互換機と共通する部分については、原則として省略してあります。
この文章に記載されていない詳細なインストール手順については、 Gentoo Linux 1.4 インストールガイドもしくは Gentoo ハンドブックの第1部 "Gentoo のインストール" を参照の上で、 AT 互換機の場合と同様に進めてください。
Warning:
この文章の内容に関しましては、動作確認等行なっておりますが、基本的に無保証ですので、どうか御了承下さい。
2. 用意するもの
本章では、インストールに当たって用意するものについて述べます。
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FM-TOWNS
Gentoo Linux は 486 CPU 搭載機以上に対応しているので、 FM-TOWNS 本体も 486 以降が搭載されている必要があります。
なお、メモリや HDD は多ければ多いほど良いでしょう(メモリは 32MB 以上, HDD は 4GB 以上を強く推奨します)。
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TOWNS-OS もしくは FM-TOWNS 専用 MS-DOS
後述する dosboot5 や bzboot を使用する為に必要です。
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dosboot5
後述するインストール用 miniroot を起動する際に initrd 対応の dosboot5 が必要です。以下の URL より入手できます。
ftp://ftp.fm-towns.org/pub/TOWNS/Plamo-2.1/TOWNS/dosutil/dosb5ir1/dosboot5.exe
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bzboot
bzImage を用いて Linux を起動する際に必要です。以下より入手できます。
http://www.nurs.or.jp/~kurati/towns/bzboot/bzboot-0.02.tar.bz2
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Gentoo Linux インストール用 miniroot
FM-TOWNS への Gentoo Linux のインストール用に、専用の miniroot を用意しました。
現在、この miniroot のカーネルイメージとルートイメージは、 uClibc, busybox 等のソースコードから miniroot を構築するためのパッケージである mkminiroot に同梱する形で配布しています。 mkminiroot は、以下の URL から取得して下さい。
http://zool.jpn.org/gentoo-towns/releases/mkminiroot-1.28.tar.bz2
実際のインストール作業では、上記より取得できるパッケージを以下のように展開して、構築済みのブートカーネルとルートイメージを取り出して使用して下さい。
ここで、 zimage-gentoo-towns.bin がカーネルイメージで、 rootfs-gentoo-towns.gz がルートイメージです。
以降は、上記のインストール用 miniroot を単に miniroot と呼びます。
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FM-TOWNS 対応 portage ツリー
FM-TOWNS 専用の ebuild パッケージを収めた portage ツリーを用意しました。
以下の URL より入手できますが、後述する Internet に繋がる環境が用意できれば、 インストール作業中にダウンロードすることが可能なので、前もって入手する必要はないでしょう。
http://zool.jpn.org/gentoo-towns/releases/portage-towns.tar.bz2
また、 2005 年 11 月 15 日公開分より、 ViewCVS による portage ツリーの CVS repository の閲覧ができるようになりました。 portage ツリーの CVS HEAD を tarball として固めたものは以下の URL より入手できます。
http://zool.jpn.org/cgi/viewcvs.cgi/gentoo-x86-towns/gentoo-x86-towns.tar.gz?tarball=1
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次のいずれかもしくは全部
手元の FM-TOWNS の環境に応じて、以下のものから適当なものを用意します。
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Gentoo Linux Live CD
以下の URL より、 CD-ROM のイメージが入手できます。
http://distro.ibiblio.org/pub/linux/distributions/gentoo/releases/x86/2005.1/installcd/
なお、 CD-ROM は Gentoo Linux Store から購入することもできます。
また、若干内容は古いですが、 "はじめての Gentoo Linux"(田中秀樹著, ソフトバンクパブリッシング刊, ISBN4-7973-2494-5) に付録として添付されているものも使用できます。
以降はこの CD-ROM を LiveCD と呼びます。
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Ethernet カード経由で Internet に繋がる環境
FM-TOWNS 専用 Ethernet カードが手元にある場合は、ADSL 等経由で Internet に接続できる環境を用意すると良いでしょう。
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CD-R 等を焼ける環境
Internet に接続できる環境が手に入らない場合、前述の LiveCD のイメージや作業のために必要なファイル群を CD-R などに焼くことができれば、その環境を用意しておきましょう。
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Gentoo Linux Live CD
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次のドキュメントのいずれかもしくは両方
Gentoo Linux のインストールについてのドキュメントとして、以下のいずれかを用意します。
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Gentoo Linux 1.4 インストールガイド
以下の URL より入手できます。
http://www.gentoo.org/doc/ja/gentoo-x86-install.xml
なお、実際のインストールには、以下の Web page を紙に打ち出したものを手元に置いて作業すると吉です。
http://www.gentoo.org/doc/ja/gentoo-x86-install.xml?style=printable
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Gentoo ハンドブックの第1部 "Gentoo のインストール"
以下の URL より入手できます。
http://www.gentoo.org/doc/ja/handbook/handbook-x86.xml?part=1
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Gentoo Linux 1.4 インストールガイド
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時間に対する忍耐
486 搭載の FM-TOWNS ではやはりインストールに時間がかかります。
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待つことが苦痛にならないほどの忍耐
待ちましょう(^^;;;)
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とにかく数日単位で待つことができるほどの忍耐 (^^;;;;;;)
ひたすら待ちましょう(^^;;;;;;;;;)
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この文章
拙い文章ですが(^^;;;;;;)、手元に置いて作業して頂ければ幸いです。
3. インストール
本章では、実際に FM-TOWNS へ Gentoo Linux を導入するための手法について述べます。
Note:
"はじめに" で述べた通り、本章に記載されていない手順については、 AT 互換機と共通する部分ですので、作業を進める際は Gentoo Linux 1.4 インストールガイド もしくは Gentoo ハンドブックの第1部 "Gentoo のインストール" を参照して下さい。
また、これ以降、本文中に示されるリスト中で出てくる >, # はそれぞれ DOS, miniroot でのプロンプトを表します。また、リスト中に薄黄色の文字で表記されている部分はユーザによる入力を表します。
3.1. miniroot を起動する
まず最初に、 miniroot を dosboot5 を用いて起動します。
ここで、 dosboot5, bzboot を TOWNS-OS の f:\linux ディレクトリに置き、 zimage-gentoo-towns.bin, rootfs-gentoo-towns.gz をそれぞれ zimage.bin, rootfs.gz に名前を変更して同じ所に置いたとすると、以下のようにして miniroot を起動します。
3.2. network の設定
ここで、 Ethernet カードが手元にある場合は、これで Internet に繋げるための設定を行ないます。
Impotant:
pppoe による network 接続や Ethernet カード以外のデバイスを用いた network 接続には未対応です。どうか御了承下さい。
設定には、 miniroot に附属している netconf というスクリプトを使用します。これは network 関連の設定を対話的に行なうためのシェルスクリプトです。以下のようにして起動します。
netconf を起動したあとは、設定についての質問に順次答えていきます。
ここで、 FM-TOWNS の IP アドレスを 192.168.0.1 とし、 gateway 兼 DNS サーバの IP アドレスを 192.168.0.254 とすると、以下のように答えていきます。
設定後は、 ifconfig を用いて network 関連の設定が適切かどうか確認します。
また、外部に対して ping が飛ぶかどうかも確認します。
なお、 netconf の "Try to use DHCP for network configuration?" という質問に yes と答えると、 udhcpc が起動し、 DHCP による network の設定が行なわれます。
ここで、 udhcpc が IP address の取得に成功すれば、その IP address を用いて設定が行なわれ、失敗すれば通常の手動による設定に移行します。
3.3. CD-ROM の mount
ここで、 LiveCD1 が手元に有る場合は、以下のようにして LiveCD1 を mount します。
そして、以下のようにして実際に LiveCD1 の内容が読めるかどうか確認します。
3.4. HDD の partition を切る
HDD の partition を切るには、 fdisk を使用します。なお、 miniroot 附属の fdisk は、FM-TOWNS の partition に対応しています。
ここで、 Gentoo Linux のインストール先となる HDD が /dev/sdb として認識されている場合は、以下のようにして fdisk を実行します。
なお、 partition の構成は、 AT 互換機の場合と同様にしても良いですが、カーネルの boot には TOWNS-OS 等から bzboot を使用するので(後述)、 boot partition は reserve として用意する以外は特に必要ないでしょう。
3.5. file system の作成
file system の作成方法については AT 互換機の場合と同様です。
miniroot では ext2, ext3, reiserfs の作成及び mount に対応しています。その他の file system には対応していませんのでご了承ください。
なお、 file system として reiserfs を使用する場合、あらかじめ modprobe reiserfs を実行して、 reiserfs のドライバを手動でカーネルに組み込む必要があります。
3.6. partition の mount 以降の作業
これ以降、以下の作業について、 AT 互換機の場合と同様に作業を行ないます。
- partition の mount
- stage 圧縮ファイルの取得と展開
- chroot の実行
- 最新の portage ツリーの取得
- /etc/make.conf の編集
- stage1, stage2, stage3 の実行
- timezone と /etc/fstab の設定
Note:
stage1 及び stage2 の実行は相当な時間がかかります。
他の作業をしながらコンパイルの完了を数日間待ち続けるだけの忍耐力を持ち合わせているのではない限り(^^;;)、出来れば stage3 からの実行をお勧めします。
なお、 stage 圧縮ファイルを Internet 経由で取得するためのスクリプトを miniroot に用意してあります。以下のように実行します。
また、 getstage による stage 圧縮ファイルの取得先は miniroot の /etc/mirrors に記述してありますので、 network の状況により適宜変更して下さい。
3.7. FM-TOWNS 対応 portage ツリーの取得と展開
ここで、 FM-TOWNS 対応 portage ツリーの取得と展開を行ないます。
まず、 FM-TOWNS 対応 portage ツリーを .tar.bz2 で固めた portage-towns.tar.bz2 を Internet 経由で取得するか、前もって入手しておき、適当な場所においておきます。そしてこれを以下のようにしてルートディレクトリ上に展開します。
Impotant:
この時、 /etc/portage/package.mask が portage-towns.tar.bz2 の展開により上書きされます。既にこれらのファイルが存在する場合は、これらのファイルを別名に変更して退避させておき、後でファイルの内容を手動で merge させるようにして下さい。
なお、 FM-TOWNS 対応 portage ツリーの CVS HEAD 版を使用する場合は、以下のようにします。この時、 /usr/local/TOWNS 及び /etc/portage/package.mask の作成を手動で行うようにしてください。
これにより、/usr/local/TOWNS/portage なるディレクトリが作成され、そこに FM-TOWNS 対応 portage ツリーが置かれます。
そして、 /etc/make.conf を以下のように編集します。
Warning:
2005 年 6 月 7 日公開分より、 Manifest と files/digest-* を portage ツリーに同梱するのを廃止しました。これに伴い、これ以降の FM-TOWNS 対応 portage ツリーを使用する場合は、 FEATURES 環境変数に "digest" を追加する必要があります。
なお、 portage-towns.tar.bz2 には、 FM-TOWNS 対応 portage ツリーを更新するための portage-towns パッケージが同梱してあります。したがって、gentoo-towns.tar.bz2 の展開後は、 emerge portage-towns の実行により、 /usr/local/TOWNS/portage 以下を最新のものに保つことができます。
Impotant:
emerge portage-towns の後は /etc/portage/package.mask が変更されますので、 etc-update を忘れないでください。
Note:
emerge portage-towns を使わずに手動で portage ツリーを更新することもできます。
この場合は、 /usr/local/TOWNS/portage ディレクトリと /etc/portage/package.mask を別名に変更させた後、 portage-towns.tar.bz2 をルートディレクトリに展開してください。
Warning:
2004 年 12 月 14 日公開の snapshot バージョンより、FM-TOWNS 対応 portage ツリーの置き場所を /usr/towns/portage から /usr/local/TOWNS/portage へ変更しました。
なお、従来の /usr/towns ディレクトリは /usr/local/TOWNS へのシンボリックリンクとして、当分の間存続します。
もし、 2004 年 12 月 14 日以降に /usr/towns ディレクトリが存在する状態から emerge snapshot-towns を実行する場合は、あらかじめ手動で以下の作業を行なうようにして下さい。
次に、以下の emerge を実行して、 FM-TOWNS 対応の Linux カーネルのソースツリーと、 FM-TOWNS の partition に対応した util-linux をインストールします。
Note:
ここで、カーネルに 2.6 系のものを使用したい場合は、 emerge towns-sources の代わりに emerge towns-dev-sources を実行してください。
その他必要があれば、以下のようにして FM-TOWNS 対応ユーティリティをインストールしていきます。
Warning:
2005 年 5 月 4 日公開分より、 gentoo-towns パッケージを廃止しました。
3.8. カーネルの再構築
ここでは、カーネルの再構築の手順について述べます。
前述の emerge towns-sources が正常に終了した時点で、 FM-TOWNS 対応カーネルのソースコードが /usr/src/linux-x.y.z-towns-rR 以下にインストールされ、このディレクトリに /usr/src/linux シンボリックリンクが張られた状態になっています。
(ここで、x,y,z,R の部分はインストール時におけるカーネルパッケージの最新バージョンです。)
この状態から、以下のようにしてカーネルの設定を手動により行ない、再構築を行ないます。
具体的なカーネルの設定については、 root partition で使用した file system のドライバ等やモジュール化が出来ないもの等を除き、モジュール化しておくのが吉です。参考として筆者が Linux 2.4.26 において動作確認した時の .config を示します。
Impotant:
特に、 root partition で使用した file system のドライバをモジュール化すると、カーネルが起動できなくなりますので、注意して下さい。
Note:
後の章で述べる X.Org を導入する場合は、他機種互換の新しいフレームバッファドライバをカーネルに組み込む必要があります。
また、カーネル設定に関する参考資料として以下の文書を挙げておきます。
- 近藤 道彦さんによるLinux/Towns カーネル作成時の項目設定のポイント
- 進藤 秀郎さんによるDebian/TOWNS のカーネル作成
- /usr/src/linux/README.towns の注意事項
- /usr/src/linux/Documentation/checklist.TOWNS
なお、 genkernel を用いたカーネルの再構築には未対応ですので御了承下さい。
カーネルの再構築の後は、 bzImage を bzboot が置かれている TOWNS-OS もしくは MS-DOS の partition に置きます。
ここで、 bzboot が f:\linux ディレクトリに置かれていて、 f: ドライブが miniroot から /dev/sda1 のデバイス名で見えているものとすると、以下のようにします。
3.9. system logger のインストール以降の作業
これ以降、以下の作業について、 AT 互換機の場合と同様に作業を行ないます。
- system logger のインストール
- root のパスワードの設定とユーザ登録
- ホスト名及びネットワーク周辺の各種設定
なお、ブートローダの設定については、ここでは bzboot を使用するため、必要ありません。
3.10. キーボードとフォントの設定
/etc/rc.conf の設定時に、キーボードとフォントに関する設定を行ないます。
Impotant:
特にキーボードの設定については、必ず適切に行なわないと、再起動後にキーボードの操作が激しくおかしくなるので注意してください。
キーボード周辺の設定は以下の通りに行ないます。
そして、 /etc/rc.conf の設定で以下の部分を次のように変更します。
また、再起動後もFM-TOWNS 内蔵のフォントを使用したい場合は以下のようにします。
そして、 /etc/rc.conf の設定で以下の部分を次のように変更します。
3.11. 再起動
すべての設定が完了した後は、 miniroot を reboot により終了させ、再度 TOWNS-OS もしくは MS-DOS を立ち上げます。
そして、 Gentoo Linux のインストール先が /dev/sdb2 とすると、以下のようにして再起動を行ないます。
以上で、再起動が成功すれば、 FM-TOWNS 上で Gentoo Linux が利用できるようになります。
4. X.Org の導入
本章では、 Gentoo Linux/TOWNS 上での X window system の導入方法について述べます。
ここでは、 Linux/TOWNS で X window system を起動させる手法として、他機種互換の新しいフレームバッファ上で X.Org を起動させる手法を用いることとします。
この手法については、
- kurati さんが公開しておられる Linux/TOWNS 上で XFree86 4.x を起動する方法
- 西 章兵さん他の手により開発されている X TOWNS Version 5.5b10 のソースコードのうち、キーボード周辺に関する部分
- 丸市 展之さんが公開しておられる X TOWNS Version 5.5b10 の web page
等の資料を参考にさせて頂きました。
Impotant:
当然ですが、これ以降の作業を行なう前提として、カーネルの再構築時に、他機種互換の新しいフレームバッファドライバを有効にしておく必要があります。
4.1. X.Org のインストール
まずは、X.Org のパッケージをインストールします。次の emerge を実行します。
これにより、 X.Org 本体の最新版がインストールされる他、 Linux/TOWNS 特有の xorg.conf やキーボード周辺の設定ファイルがインストールされます。
Note:
X.Org 本体のインストールには非常に時間がかかります。忍耐を持って待ちましょう。忍耐力を不幸にも持ち合わせていない場合は、 GRP を利用したインストールをお勧めします。
なお、FM-TOWNS の他、 machine power のある AT 互換機をいくつか持っていて、大きな規模のパッケージをインストールしたい場合には、分散コンパイルのための distcc の導入を強くお勧めします。
なお、 xorg-x11 パッケージのインストール後は、いくつかの設定ファイルが変更されていますので、 etc-update を実行して設定ファイルの更新を行なうのを忘れないで下さい。
4.2. X.Org の設定
そして、 X.Org のパッケージをインストールした後は、手元の環境に応じて設定の変更を行ないます。
/etc/X11/xorg.conf について、必要に応じて以下の部分を修正します。
4.3. X.Org の起動
以上により、 Linux/TOWNS 上で X.Org が起動できるようになります。 X.Org を起動するには、以下のようにして startx を実行します。
Impotant:
前もって /etc/init.d/fmsetkb start を実行するのを忘れないようにして下さい。忘れるとキーボード入力がおかしくなります。
なお、/etc/init.d/fmsetkb start を実行してもキーボードの動作がおかしい場合は、/etc/conf.d/fmsetkb を修正してください。例えば、 X.Org の起動時に /var/log/XOrg.0.log に次のような log が残っていた場合、
/etc/conf.d/fmsetkb を以下のように修正します。
4.4. xdm の設定
ここで、 xdm を用いて X から login を行なう場合は、/etc/rc.conf を以下のように修正します。
次に、以下のようにして、default の runlevel に fmsetkb と xdm を登録します。
Impotant:
fmsetkb の default runlevel への登録を忘れないで下さい。
以上で、 Linux/TOWNS 上で X window system が使用できるようになります。これ以降の詳細なデスクトップ構築の手法については、 Gentoo Linux デスクトップ構築ガイド を参照して下さい。
5. 最新の状況と今後の予定
FM-TOWNS 上の Gentoo Linux について、最新の状況や今後の予定などについては、筆者拙作の Web Page 上の Gentoo Linux/TOWNS 関連のノートにメモ書きとしてまとめておきましたので、御覧下さい。
また、本文書に関してその他見落としている事や御希望など有りましたら、御一報頂けると助かります(^^;;;;;;)。
6. 謝辞
この文章の最後にあたって、 FM-TOWNS に対応した Linux カーネルの開発について多大な尽力を行なっておられる kurati さんこと倉地 修さんに心より感謝いたします。倉地さんに関しましては、前述したようにフレームバッファを用いた XFree86 の起動についても参考にさせて頂きました。
また、 Linux/TOWNS 対応の X window system について、西 章兵さん他、 X TOWNS Version 5.5b10 を開発された皆様や、 X TOWNS のソースコードの配布やコンパイルの手法等について web page 上で有益な情報を提供して頂いている丸市 展之さんにも心より感謝致します。丸市さんに関しましては、 FM-TOWNS 対応の util-linux 2.11q のソースコードを頂くなど、 util-linux 2.12i の移植作業について、多大な御協力を頂きました。
そして、カーネル設定に関して参考となるドキュメントを公開しておられる近藤 道彦さんと進藤 秀郎さんにも深く感謝致します。
最後に、 Linux/TOWNS 上で動作するアプリケーションやディストリビューションの開発に係わった全ての皆様や、 Gentoo Linux に係わった全ての皆様に心より感謝致します。
7. 配布条件
以下に本文書の配布条件を示します。
-
本文書は、 Z80-OOLONG (NAKATSUKA, Yukitaka) が著作権を有します。
-
本文書は、 Creative Commons - Attribution / Share Alike license に従い、配布されるものとします。
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