オリジナルからの変更点
このページで、野良 build 版 Rockboxの、オリジナルの Rockbox から独自に patch を適用したり修正を加えた点についてまとめておきます。いろいろと手を加えているので、もしかしたら抜けがあるかもしれません。
patch の適用
以下の patch を適用しました。
-
FS#8363: Charger configuration for Sansa e200/c200
-
但し、初期に公開された patch を、リリース版 Rockbox 3.1 のみに適用。
-
-
FS#9174: Lua Scripting Language for Rockbox
-
但し、開発版 Rockbox r21020より、FS#9174が本家に取り込まれたため、パッチの適用は開発版 Rockbox r20883 (2009/05/09 公開) ベースまで。
-
また、開発版 Rockbox r20619 (2009/04/05 公開) ベースから Rockbox r20727 (2009/04/18 公開) ベースにかけて、takka さんが作成された Rockbox r19934 ベースの patch より、以下の patch も適用しています。
-
00_font.patch (システムフォントの 2byte 文字化 patch)
-
01_dir_cache_size_up.patch (directory cache の増量 patch)
-
02_font_buffer_size_up.patch (font バッファの増量 patch, 参照→ FS#7062 - font buffer size up patch)
-
03_wps_buffer_up.patch (WPS バッファの増量 patch)
これに伴い、システムフォントの日本語化を行いました (後述)。ここに、 Rockbox の改良に関して、多大なる尽力を行っておられる takka さんに心より感謝致します。
そして、開発版 Rockbox r20727 (2009/04/18 公開) ベースより、以下の patch を適用しました。
-
また、上記 patch と依存関係にある以下の patch も同時に適用しています。
"美咲フォント" によるシステムフォントの日本語化
開発版 Rockbox r20727 (2009/04/18 公開) ベースより、門真なむさんが作成された以下のフォントを使用して、システムフォントの日本語化を行いました。
なお、システムフォントでは、美咲フォントの 1byte 文字が非常に見にくいので、これらの文字は、k6x8 フォントの「全角英数文字」等を使用しました。
また、 Rockbox のフォントファイルとして、以下のファイルを同梱しました。
-
08-K6x8.bdf (1byte 文字に 3x8.bdf を使用している k6x8 フォント)
-
08-Misaki-Gothic.bdf (1byte 文字に 4x8.bdf を使用している 美咲ゴシックフォント)
-
08-Misaki-Gothic-SystemFont.bdf (1byte 文字に k6x8 フォントの「全角英数文字」を使用している 美咲ゴシックフォント)
-
08-Misaki-Mincho.bdf (1byte 文字に 4x8.bdf を使用している 美咲明朝フォント)
-
08-Misaki-Mincho-SystemFont.bdf (1byte 文字に k6x8 フォントの「全角英数文字」を使用している 美咲明朝フォント)
上記の極小サイズの日本語ビットマップフォントを精力的に作成され、 free な license に基づいて提供されている門真なむさんに心より感謝致します。
各種初期状態の設定の日本語化
リリース版 3.3 ベースより、以下の設定について build 時の初期状態を次のように日本語化しました。
-
「表示言語の設定 (設定値: lang)」→ "japanese.lng"
-
「規定のコードページ (設定値: default codepage)」→ "日本語 (SJIS)"
-
「フォントの参照 (設定値: font)」→ "12-Sazanami-Mincho.fnt"
-
「ラジオの聴取地域 (設定値: fm_region)」→ "日本"
これにより、一番最初のまっさらな状態から、野良 build 版 Rockbox の build 済みファームウェアを展開するだけで、日本語化された Rockbox を起動することができるようになります。(すなわち、日本語化のための設定をする必要がありません。)
増設 microSD からのブートに対応
ブートローダーにおいて、増設 microSD に置かれたファームウェアをブート出来るようにしました。
-
ブートローダーは、以下に示すファイルを順番に探しに行き、最初に見つかったファイルをファームウェアとしてブートします。
-
/<microSD1>/.rockbox/rockbox.mi4
(即ち、増設 microSD 上に置かれた/.rockbox/rockbox.mi4
) -
/.rockbox/rockbox.mi4
(本体メモリ上に置かれた/.rockbox/rockbox.mi4
) -
/rockbox.mi4
(本体メモリ上に置かれた/rockbox.mi4
)
-
-
build 後に
make zip
で zip ファイルを生成する場合に、../tools/configure
のオプションで--rbdir='<microSD1>/.rockbox
を指定していても、生成される zip ファイルのルートディレクトリが.rockbox/
となるように../tools/buildzip.pl
等を修正しました。
なお、増設 microSD 上での Rockbox の運用について、このページにまとめておきました。
録音機能の強化
タイマー録音機能の拡張として予約録音機能に対応させるなど、録音機能を強化しました。
-
予約録音について、以下の設定を最大8件まで登録できるようにしました。
-
録音開始曜日、録音開始時刻及び録音終了時刻
-
ラジオを録音する場合は受信ラジオ局の周波数
-
録音ファイルの保存先となるディレクトリ名とファイル名のフォーマット
-
録音ファイルが mp3 形式の場合は、録音ファイルに書き込む ID3 タグ (曲名、アルバム名、アーティスト名) のフォーマット
-
ディレクトリ名、ファイル名及び ID3 タグのフォーマットの指定には
strftime
の書式が使用可能です。
-
-
-
予約録音の設定は [設定] → [録音の設定] → [録音タイマー設定] → [録音時刻の設定] から行うことができます。
-
録音開始時刻等を何件か登録した後、録音画面を表示させて、再生ボタンを押すと、録音タイマーが動作し、登録した時刻に録音が行われるようになります。
30 時間制表示対応
ステータスバー等の各種時刻表示を 30 時間制に対応させました。
-
ラジオの深夜放送の御供に是非どうぞ。
-
[システム設定] → [日付と時刻] → [時間の形式] で選択できます。
設定メニューからの USB 設定に対応
USB に関する設定が、システム設定のメニューから変更できるようにしました。
-
USB ケーブル接続時に、オリジナルファームウェアを起動するか、 Rockbox のマスストレージドライバを使用するか、充電のみを行うかを選択できるようにしました。
-
[システム設定] → [USB 設定] → [ドライバ設定] で選択できます。
-
-
USB のデータ転送に USB 1.1 か USB 2.0 のどちらを使用するかを選択できるようにしました。
-
[システム設定] → [USB 設定] → [速度設定] で選択できます。
-
その他
その他、以下の fix を行っています。
-
apps/lang/japanese.lang
の日本語を若干修正しました。 -
日付と時刻の設定の操作方法を若干変更しました。
-
SELECT キーで時刻を設定し、 PREV キーで設定画面から抜けます。
-
また、開発版 Rockbox r20820 (2009/04/29 公開分) ベースから Rockbox r20883 (2009/05/09 公開分) ベースにかけて、以下の問題の fix を行っています。
-
さざなみフォント及び美咲フォントについて、 "全角チルダ・波ダッシュ問題" の修正を行いました。
また、リリース版 3.3 ベースより、以下の変更を行いました。
-
各種初期状態の設定を以下の通りに変更しました。
-
「録音ファイルのデフォルトの保存先ディレクトリ (設定値: rec path)」→ .rockbox/recorder
-
「プレイリストの保存先ディレクトリ (設定値: playlist catalog directory)」 → .rockbox/playlists
-
「ファイルの表示 (設定値: show files)」 → 「すべて (all)」
-
-
プレイリストの保存先ディレクトリの設定をメニューより変更できるようにしました。
-
[設定] → [一般設定] → [プレイリスト] → [プレイリストの保存先のディレクトリ] から変更できます。
-