増設 microSD 上での Rockbox の運用について
野良 build 版 Rockbox のブートローダーでは、増設 microSD 上に置かれたファームウェアをブート出来るように修正を加えています。
ここでは、増設 microSD 上での Rockbox の運用についてまとめておきます。
増設 microSD に Rockbox を置く利点
Rockbox のファームウェアを増設 microSD 上に置くことが出来るようになると、
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最初の Rockbox のインストール時に、1回だけブートローダーを本体メモリに書き込む以外は、本体メモリの書き換えを行わなくて済む。
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Rockbox による本体メモリの書き換え回数を極限まで減らせるので、本体メモリの寿命を伸ばせる。
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Sansa e200 の本体メモリに書き換え寿命が来ると、Sansa e200 の場合では本体全取換えを伴う修理に出す必要が出てきて非常に面倒だが、増設 microSD の場合は寿命が来ても、メモリを交換するだけで済む。
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Sansa e200 の本体メモリに書き換え寿命が来ても、ブートローダーの読み込みに問題が無ければ、そのまま増設 microSD 上で Rockbox を動かすことができる。
と、いろいろと良いことがあるかもしれません。
Rockbox を増設 microSD 上から起動させるには
Rockbox のファームウェアを増設 microSD 上から起動させるには、以下のようにします。
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野良 build 版 Rockbox のブートローダーを本体メモリに書き込む。
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増設 microSD からのブートに対応した野良 build 版 Rockbox の zip ファイルを増設 microSD のルートディレクトリに展開する。
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Rockbox の起動後に、録音ファイルの保存先やプレイリストの保存先等の設定を増設 microSD 上に指定する。
これで、 Rockbox を増設 microSD 上から起動させることが出来るようになります。
なお、 Rockbox のブートローダーは、ここから入手できる sansapatcher を用いて次のようにして本体メモリに書き込むことが出来ます。
sansapatcher.exe -a PP5022-zool3.1.mi4
また、次のようにすると、増設 microSD 対応の野良 build 版 Rockbox をソースから build することができます。
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まず、野良 build 版 Rockbox のソースコードを用意します。野良 build 版 Rockbox では、増設 microSD 上での起動に対応した zip ファイルを生成するための修正を行っています。
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野良 build 版 Rockbox の build で
../tools/configure
で Makefile 等を生成するときに、オプションに--rbdir='<microSD1>/.rockbox'
を指定する。 -
make && make zip
で zip ファイルを生成する。